腸内細菌叢の組成から30を超える疾病のリスクを網羅的に分析!|腸内細菌叢の検査・分析サービス[SYMGRAM®]腸内細菌叢の組成から30を超える疾病のリスクを網羅的に分析!|腸内細菌叢の検査・分析サービス[SYMGRAM®]

日本最大級(約23,000人)の腸内細菌叢解析データベースを用いた
研究の成果を踏まえて開発されたSYMGRAM®は、
独自のアルゴリズムにより
様々な疾病のリスクを網羅的に分析することが可能です。世界初・特許取得済

Medical Tribuneインタビュー3名のDr.が語る腸内細菌叢の
“いま”と“これから”
腸内細菌叢と疾病との関連、治療や患者へのメリットとは?

Medical Tribuneとのタイアップ企画にて、腸内細菌叢研究に造詣が深い3名の医師にインタビュー。疾病リスク分析が可能な『SYMGRAM®』の魅力と、腸内細菌叢と疾病の関連、治療や患者にもたらすメリットについて語っていただきました。(2023年4月20日発行のMedical Tribune 紙に掲載)

腸内細菌叢から疾病リスクを推定する

  • 丸岡秀一郎氏
    日本大学内科学系呼吸器内科学分野准教授/
    日本大学板橋病院心療内科部長
    丸岡秀一郎氏
    • 従来治療で効果が得られない難治例の要因の1つとしてdysbiosisが指摘されており、腸内細菌叢データを分析し疾病のリスクを推定することで、次の治療ステップに移行できる可能性がある。
    • 慢性疾患では『セルフマネジメント』が重要となるが、疾病リスク推定結果はその実践において患者に対する重要な情報提供の1つになりうる。
  • 神津悠氏
    日本大学内科学系呼吸器内科学分野
    神津悠氏
    • 従来は便の性状や食事内容などに基づき間接的に消化器の状態を評価していたが、こうした形でより具体的な疾病リスクを知ることは、患者が自己評価を行う際に大いに役立つのではないか。
    • 自分の健康状態を把握したいと考えている患者は多く、生活習慣や食事内容などを変容する上で大きなモチベーションとなり、受診の促進にもつながるだろう。
  • 白澤卓二氏
    お茶の水健康長寿クリニック院長
    白澤卓二氏
    • 従来はバイオマーカーが正常値を超えた状態などを疾病と診断し、薬物療法などにより治癒や症状緩和を目指すという考え方だった。今後の内科的治療には予防医学的な観点を踏まえ、疾病を個別に診るのではなく腸内細菌叢を“鏡”として患者の全体像を捉え、それぞれの疾病リスクに応じた適切な介入を行うことが求められるようになるだろう。
    • 将来的にはさまざまな領域で予防や治療、健康長寿を目指した生活指導などへの応用が展開されていくのではないか。

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国際学術誌に掲載疾病リスクの分析手法について解説!

腸内細菌叢研究の背景

腸内細菌叢研究の背景

近年の次世代シークエンス技術の発展により、ヒト腸内細菌叢についての研究が盛んに行われるようになっています。その中でも、腸内細菌叢が宿主の健康状態に及ぼす影響について様々な研究が行われており、腸内細菌が様々な疾病に関係しているとの報告がなされています。

このため、これまでも腸内細菌を指標とした疾病の検出法や評価法の開発が試みられてきました。しかしながら、先行研究の多くは、単一の腸内細菌をバイオマーカーとして用いるものや、複数の菌を用いても、それらを独立の変数として扱っているため、1,000種類以上の多種多様な腸内細菌が相互作用しながら生息している複雑な生態系である腸内細菌叢と疾病の関連性の全体像を捉え、高い精度と再現性で疾病のリスクを推定できるものとはなっていませんでした。

当社の分析手法に関する論文が国際学術誌に掲載

当社の分析手法に関する論文が国際学術誌に掲載

シンバイオシス・ソリューションズ株式会社の研究チームは、腸内細菌叢の組成データ(腸内細菌叢を構成する各腸内細菌の相対存在量)から疾病のリスクを推定するための手法を開発し、2023年1月26日付で国際学術誌『Frontiers in Microbiology』に論文が掲載されました。

研究手法①菌属の特定

研究手法①菌属の特定

論文では、女性のアトピー性皮膚炎(以下「アトピー」)を事例として、腸内細菌叢の組成データからアトピーのリスクを推定する手法を報告。

研究チームは、まず初めに、アトピーのみに罹患している日本人女性(AS)45名と健康な日本人女性(NC)321名の腸内細菌叢の組成データから、ASとNCの間で各菌属の効果量を計算し、アトピー罹患者と健康者の腸内細菌叢を特徴づける菌属を特定しました(図1)。

研究手法②構造方程式モデルの構築

次に研究チームは、効果量の計算結果(図1)から特定したアトピーと関連のある腸内細菌(菌属)のうち6つの菌属の占有率(相対存在量)のデータを観測変数に用いて、2つの潜在変数(腸内細菌叢因子)で構成された構造方程式モデルを構築しました(図2)。

研究手法②構造方程式モデルの構築

このモデルで設定した2つの腸内細菌叢因子の1つはアトピーの発症・増悪に関係すると仮定した因子(図2lv1)であり、この因子にはAS側の効果を示すAlistipesButyricimonasCoprobacterの3菌属を割り当てました。これらの3菌属は、体内における炎症反応の亢進に関与することが報告されています(Parkeretal.,2020;Bowermanetal.,2020;Kimetal.,2019;Liuetal.,2019)。もう1つの腸内細菌叢因子は、アトピーの抑制・緩和に関係すると仮定した因子(図2lv2)であり、この因子にはNC側の効果を示すAgathobacterFusicatenibacterStreptococcusの3菌属を割り当てました。これらの3菌属は、体内における炎症反応の抑制に関与していることが報告されています(Roseroetal.,2016;Jiangetal.,2022;Takeshitaetal.,2016;Kacietal.,2014;Parketal.,2020)。

この結果、適合度指数GFI=0.95、AGFI=0.85、RMSEA=0.06、lv1からアトピー罹患変数へのパス係数が0.32(p<0.01)、lv2からアトピー罹患変数へのパス係数が-0.41(p<0.01)の構造方程式モデルを構築することができました。

これらのことから、構築したモデルは、腸内細菌叢がアトピーに及ぼす影響の全体像を、体内における炎症反応の亢進に関わる腸内細菌叢因子(lv1)と炎症反応の抑制に係る腸内細菌叢因子(lv2)を設定することによって構造化(モデル化)していることが分かります。

30を超える疾病のリスクを網羅的に分析

30を超える疾病のリスクを網羅的に分析

本研究で開発された腸内細菌叢と疾病の関連性に関する構造方程式モデルと、そのモデルに基づき構築される疾病リスク推定モデルを用いた疾病リスクの推定手法により、当社の腸内細菌叢の検査・分析サービス「SYMGRAM®」では30を超える疾病のリスクを網羅的に分析することが可能です。今後、臨床現場における疾病の診断や治療・予防をサポートする新たなツールとして広く活用されることが期待されます。

がんや認知症まで網羅的に分析疾病リスク分析の対象疾病一覧

SYMGRAM®の疾病リスク分析の対象疾病は
男女別に各々約30。

消化器系疾患のみならず、循環器系、アレルギー系、神経・精神系、男性/女性特有の疾病など、網羅的に疾病のリスクを分析することができます。

SYMGRAM® ver.3 のリスク分析対象疾病一覧
SYMGRAM® ver.3 のリスク分析対象疾病一覧SYMGRAM® ver.3 のリスク分析対象疾病一覧

参考:健康者と分析対象疾病の罹患者における疾病リスク値分布の例

健康者と疾病罹患者の疾病リスク値を算出し、その分布を示した例は下図のようになります。

疾病リスク値は、健康者(青色)では低く、疾病罹患者(赤色)では高く算出される傾向が認められます。このような疾病リスク値の分布にもとづいて、疾病別・男女別に「低リスク」「中リスク」「高リスク」の3区分が設定されています。

  • 疾病リスク値疾病リスク値
  • 左図上図①から④の各領域の説明
    本疾病罹患者のうち、現在の腸内細菌叢が
    本疾病の原因の一端となっている可能性がある人の分布
    健康者のうち、現在の腸内細菌叢に起因して
    本疾病に罹患する可能性がある人の分布
    健康者のうち、現在の腸内細菌叢に起因して
    本疾病に罹患する可能性が低い人の分布
    本疾病罹患者のうち、現在の腸内細菌叢が
    本疾病の原因の一端となっている可能性が低い人の分布

SYMGRAM®では、収集された実データにもとづき疾病別・男女別に構築・設定された疾病リスク推定モデルと疾病リスクの区分を用いることによって、高い精度で被検者様の疾病リスクを分析することが可能です。

被検者様の疾病リスクを分析した結果、現在罹患している疾病のリスクが高い場合、腸内細菌叢がその疾病の原因の一端となっている可能性があります。その場合は、個別に提案される食品(成分)を摂取することによって、リスクを下げる方向に腸内細菌叢が変動し、疾病の改善・緩和や再発予防につながる可能性があります。一方で、現在罹患していない疾病のリスクが高い場合は、現在の腸内細菌叢に起因してその疾病に罹患する可能性があります。このため、疾病リスク分析を活用することで、未病段階における疾病予防への取り組みや、疾病の早期発見につなげることが可能となります。

疾病リスクを分析できる腸内細菌叢の検査・分析サービス『SYMGRAM®』4つの特徴と利用する優位性

特徴01日本最大級の腸内細菌叢データベース

  • ・生まれ育った国・地域によって大きく異なる腸内細菌叢。
  • ・当社では約23,000人の日本人の腸内細菌叢データベースを用いて研究開発。
  • ・検査・分析は自社ラボ(和光市)で実施。

日本人の特徴を踏まえた腸内細菌叢の検査が可能

特徴02性別・年齢を踏まえた分析

  • ・腸内細菌叢は性別・年齢によっても異なることが当社の研究で明らかに。
  • ・国際学術誌『Biomedicines』に関連論文掲載。(2023年1月)
  • ・性別・年齢を踏まえた疾病リスク分析は当社だけ。※2023年4月現在。当社調べ。

より精度の高い分析結果

特徴03世界初・特許取得済の疾病リスク分析

  • ・当社独自のアルゴリズムで腸内細菌叢から疾病リスクを分析。
  • ・国際学術誌『Frontiers in Microbiology』に関連論文掲載。(2023年1月)
  • ・医師による疾病の診断をサポートする新たな切り口。

臨床現場で活用可能な情報

特徴04摂取推奨食品(成分)の情報を提供

  • ・疾病に関連する腸内細菌を制御するための食品(成分)情報を提供。
  • ・食品(成分)情報は個々人の腸内細菌叢の組成を踏まえて個別化された内容。
  • ・医師による疾病の予防・改善のための生活習慣指導を強力にサポート。

分析結果のみならずソリューションを提示

充実したレポートコンテンツ(一部抜粋)

  • ■疾病リスク分析結果
    • 疾病リスク分析結果
  • ■予防・改善のための推奨食品
    • 予防・改善のための推奨食品
    • 予防・改善のための推奨食品
  • ■要注意菌の分析
    • 要注意菌の分析
  • ■エンテロタイプの判定と腸内細菌の構成比
    • エンテロタイプの判定と腸内細菌の構成比
    • エンテロタイプの判定と腸内細菌の構成比
  • ■特定の代謝産物を産生する菌の割合
    • 特定の代謝産物を産生する菌の割合
  • ■菌(産生菌)のバランスと菌の多様性の評価
    • 菌(産生菌)のバランスと菌の多様性の評価
    • 菌(産生菌)のバランスと菌の多様性の評価
  • ■検出された上位10菌属
    • 検出された上位10菌属
  • ■検出された菌属と菌種の一覧表
    • 検出された菌属と菌種の一覧表

検査・サービスの流れ

  • STEP01
    検査キットのお届け
  • STEP02
    医師による問診
  • STEP03
    被検者様の検査キット
    お受け取り
  • STEP04
    被検者様による採便
  • STEP05
    大便検査等のご送付
  • STEP06
    当社にて検査・分析
    レポートの作成
  • STEP07
    医療機関へ
    レポートのお届け
  • STEP08
    医師による
    被検者様へのご説明